芥川賞のすべて・のようなもの
第66回
受賞作家の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
候補作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
マップ

受賞作家の一覧へ
前の回へ後の回へ
Last Update[H26]2014/6/20

李恢成
Ri Kaisei
生没年月日【注】 昭和10年/1935年2月26日~
受賞年齢 36歳10ヵ月
経歴 国籍=韓国。樺太・真岡郡真岡町生まれ。早稲田大学第一文学部露文科卒。朝鮮総聯、朝鮮新報社、コピーライター等を経て、昭和44年/1969年群像新人文学賞を受賞。
受賞歴・候補歴
  • 統一評論賞(昭和38年/1963年)「その前夜」
  • 第12回群像新人文学賞[小説部門](昭和44年/1969年)「またふたたびの道」
  • |候補| 第62回芥川賞(昭和44年/1969年下期)「われら青春の途上にて」
  • |候補| 第63回芥川賞(昭和45年/1970年上期)「証人のいない光景」
  • |候補| 第64回芥川賞(昭和45年/1970年下期)「伽倻子のために」
  • |候補| 第65回芥川賞(昭和46年/1971年上期)「青丘の宿」
  • 第66回芥川賞(昭和46年/1971年下期)「砧をうつ女」
  • |候補| 第15回谷崎潤一郎賞(昭和54年/1979年)『見果てぬ夢』
  • 第47回野間文芸賞(平成6年/1994年)『百年の旅人たち』
  • |候補| 第24回川端康成文学賞(平成9年/1997年)「八月の碑」
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


芥川賞 第62回候補  一覧へ

せいしゅん とじょう
「われら 青春の 途上にて」(『群像』昭和44年/1969年8月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第24巻 第8号  別表記8月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和44年/1969年7月5日 発行 昭和44年/1969年8月1日
発行者等 編集人 中島和夫 発行人 有木 勉 印刷人 浜田純治 印刷所 豊国印刷株式会社 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 260 表記上の枚数 表紙・目次 151枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×22行
×2段
本文ページ 42~97
(計56頁)
測定枚数 154
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>昭和45年/1970年6月・講談社刊『われら青春の途上にて』所収
>>昭和45年/1970年☆月・講談社刊『文学選集35 昭和45年版』所収
>>昭和48年/1973年6月・講談社/講談社文庫『われら青春の途上にて』所収
>>平成6年/1994年5月・講談社/講談社文芸文庫『われら青春の途上にて・青丘の宿』所収
>>平成18年/2006年6月・勉誠出版刊『〈在日〉文学全集 第15巻 作品集1』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 李恢成 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫
男45歳
0  
石川達三
男64歳
3 「外国人の体臭を感じさせるものがあり、相当の作品である」
舟橋聖一
男65歳
0  
丹羽文雄
男65歳
0  
井上靖
男62歳
0  
瀧井孝作
男75歳
5 「若々しい筆で佳かったが、後半には筆が乱れて、ヘタな小説になったのは惜しかった。」
大岡昇平
男60歳
7 「全体的に未熟であるが、一種のみずみずしさが、その観察にも文章にも感じられ、新人賞にふさわしいと思った。日常的な生活上の些細事が、人物が朝鮮人国籍を持つという事実によって、にわかに緊張を持つのに驚歎した。」
石川淳
男70歳
0  
永井龍男
男65歳
3 「人種意識を圧しつけぬ沈潜した表現が効果をあげ、人物も描き分けられていた。長篇小説の一部と云うべきであろう。」
中村光夫
男58歳
0  
川端康成
男70歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和45年/1970年3月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



芥川賞 第63回候補  一覧へ

しょうにん こうけい
証人のいない 光景」(『文學界』昭和45年/1970年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第24巻 第5号  別表記5月号
印刷/発行年月日 発行 昭和45年/1970年5月1日
発行者等 編集兼発行人 印南 寛 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 284 表記上の枚数 目次 100枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 84~117
(計34頁)
測定枚数 102
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>昭和45年/1970年6月・講談社刊『われら青春の途上にて』所収
>>昭和47年/1972年11月・講談社刊『現代の文学36 古井由吉・李恢成・丸山健二・高井有一』所収
>>平成24年/2012年8月・集英社刊『コレクション戦争と文学10 オキュパイドジャパン:敗』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 李恢成 男35歳
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男63歳
0  
石川達三
男65歳
6 「今回は(引用者注:「プレオー8の夜明け」「無明長夜」「証人のいない光景」の中から)当選作二篇と信じた。」「選に漏れたが、私はこの作品も相当に弁護した。しかしもう一つ迫力の足りないところがあって、大多数の賛成が得られなかった。」
三島由紀夫
男45歳
0  
丹羽文雄
男65歳
0  
舟橋聖一
男65歳
4 「前作のようにストレートに書くほうが将来性が多い。こんどのように小説作りに奔命する必要はどこにもない。持って廻れば廻るほど無駄が多くなる。」
大岡昇平
男61歳
11 「成長している作家である。」「筆力もあり、構成力もある第一級の才能だと思われるが、(引用者中略)恐らく作者の一番いいたいことが、日本人である選者たちに納得されるように書き表わされないという難点が、制約として生れたのである。」
川端康成
男71歳
2 「その着想はおもしろかった。」
石川淳
男71歳
0  
永井龍男
男66歳
4 「どこかに歯車の齟齬があるように思われ、それゆえに結末が印象的だった。」
中村光夫
男59歳
0  
瀧井孝作
男76歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和45年/1970年9月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



芥川賞 第64回候補  一覧へ

かやこ
伽倻子のために」(『新潮』昭和45年/1970年8月号、9月号)
媒体・作品情報
分載回数 全2回
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 (1)第67巻 第8号 (2)第67巻 第9号  別表記(1)8月号/784号 (2)9月号/785号
副題等 (2)「(承前)」
印刷/発行年月日 (1)発行 昭和45年/1970年8月1日 (2)発行 昭和45年/1970年9月1日
発行者等 編集兼発行者 酒井健次郎 印刷者 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 (1)260 (2)260 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ (1)6~79 (2)160~219
(計134頁)
測定枚数 402
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>昭和45年/1970年12月・新潮社刊『伽倻子のために』所収
>>昭和50年/1975年2月・新潮社/新潮文庫『伽倻子のために』所収
>>平成18年/2006年6月・勉誠出版刊『〈在日〉文学全集 第4巻 李恢成』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 李恢成 男35歳
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作
男76歳
11 「第一章から第九章までは、少年少女の境遇と恋愛の気分が、素直な筆でのびのびと描きこまれて、読みながら草山を歩くような淡淡としたよい気分がしたが……。」「しまいの方は中間小説のような筋で、少し白けた感じもした。後半はなくもがな(原文傍点)と思った。」
丹羽文雄
男66歳
10 「前半までがよい。」「後半になるに及んで、「実は」というふうに興味本位な筋が発展していくのは、技巧としても拙かったのではないか。このひとのものを三篇よんだことになるが、その中ではこの作がいちばんまとまっていた。」
石川達三
男65歳
11 「支持する人が多いかと思っていたが、ほとんど全委員がこれを次点というように見ていた。」「前半はなかなか良いが、全面的には賛成し兼ねる。」
舟橋聖一
男66歳
0  
中村光夫
男59歳
7 「骨太の構成力は、珍重すべき資性ですが、今度は作者自身がその力倆に少し溺れすぎた形で、とくに後半、人物を都合よく動かしすぎる粗雑さが目につきました。」
大岡昇平
男61歳
8 「李氏の作品を私はこれまで支持して来たが、それは在日朝鮮人という特異な条件から生れるリアリティを尊重したからである。こんどの作品にも部分的にそういうリアリティはあるが、焦点が愛情関係におかれているためか、やや便宜的に使われている。そしてその愛情関係は紋切型で、私には面白くもおかしくもなかった。」
川端康成
男71歳
5 「芥川賞候補作としては長過ぎるが、それだけに李氏の才能は見られた。ただし後半(引用者中略)はぶちこわしで、今日この程度の書き方では通俗に落ちてしまう。」
永井龍男
男66歳
7 「作者の資質に好感をもった。しかしそれはそれとして、(引用者中略)今度これを短篇という人はなかろう。」
石川淳
男71歳
0  
井上靖
男63歳
3 「主題と正面から組んだ重量感のある作品だと思いました。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和46年/1971年3月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



芥川賞 第65回候補  一覧へ

せいきゅう やど
青丘の 宿」(『群像』昭和46年/1971年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第26巻 第3号  別表記3月特大号
印刷/発行年月日 印刷 昭和46年/1971年2月5日 発行 昭和46年/1971年3月1日
発行者等 編集人 中島和夫 発行人 斎藤 稔 印刷人 浜田純治 印刷所 豊国印刷株式会社 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 292 表記上の枚数 表紙・目次 240枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×22行
×2段
本文ページ 76~160
(計85頁)
測定枚数 234
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>昭和46年/1971年6月・講談社刊『青丘の宿』所収
>>昭和49年/1974年7月・講談社/講談社文庫『青丘の宿』所収
>>平成6年/1994年5月・講談社/講談社文芸文庫『われら青春の途上にて・青丘の宿』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 李恢成 男36歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男66歳
0  
丹羽文雄
男66歳
0  
瀧井孝作
男77歳
5 「明るい若若しい平易な素直な筆に、この作者の持味があって、好感が持てた。各人物を見る作家の眼も光ってきたが、ただ少し長すぎる。」
大岡昇平
男62歳
3 「題材の扱いに、安易さが見られるように思われた。」
中村光夫
男60歳
0  
永井龍男
男67歳
2 「長所と欠点のはっきりした作品であった。」
舟橋聖一
男66歳
0  
井上靖
男64歳
0  
石川淳
男72歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和46年/1971年9月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



芥川賞 第66受賞  一覧へ

きぬた おんな
砧をうつ 女」(『季刊藝術』18号[昭和46年/1971年7月])
媒体・作品情報
誌名 「季刊藝術」
巻号 通巻 第18号/第5巻 第3号  別表記1971夏
作品名 別表記 本文 ルビ有り「きぬた」
印刷/発行年月日 発行 昭和46年/1971年7月1日
発行者等 編輯人 古山高麗雄 発行人 遠山一行 印刷所 豐國印刷株式会社(活版)、株式会社光村原色印刷所(平版)
発行所 季刊藝術出版株式会社(東京都) 発売元 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 230 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
33字
×25行
×2段
本文ページ 210~228
(計19頁)
測定枚数 65
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>『文藝春秋』昭和47年/1972年3月号
>>昭和47年/1972年3月・文藝春秋刊『砧をうつ女』所収
>>昭和47年/1972年☆月・講談社刊『文学選集37 昭和47年版』所収
>>昭和52年/1977年11月・文藝春秋/文春文庫『砧をうつ女』所収
>>昭和55年/1980年4月・講談社/講談社文庫『現代短編名作選9 1969~1973』所収
>>昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第9巻』所収
>>平成1年/1989年8月・小学館刊『昭和文学全集 第32巻 中短編小説集』所収
>>平成3年/1991年11月・講談社/講談社文芸文庫『またふたたびの道・砧をうつ女』所収
>>平成18年/2006年6月・勉誠出版刊『〈在日〉文学全集 第4巻 李恢成』所収
>>平成24年/2012年9月・集英社刊『コレクション戦争と文学17 帝国日本と朝鮮・樺太:哭』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 李恢成 男36歳
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男64歳
17 「感深く読んだ。」「私はこんどの、多少これまでとは異った資質を感じさせる作品が一番いいと思った。気負ったところがなく、らくに自分のペースで仕事をしており、作品全体に鳴っているようなもののあるのが感じられる。」「最後の銓衡で、私は(引用者中略)推した。」
吉行淳之介
男47歳
8 「授賞には、私は反対であったが、悪い作品というのではない。」「新しい文学の担い手の一人である筈の氏が、こういう傾向の作品で受賞しては、困るとおもったわけだ。李氏といえば新進作家の感じがあるので、おのずから要求がきびしくなってしまう。」
永井龍男
男67歳
3 「作者の心の広さに敬意を表する。」
中村光夫
男60歳
10 「欠点の多い作品と思われました。」「登場人物は鮮やかに描かれていますが、鮮やかすぎる作りものに似た印象をあたえるのは、氏の筆がひとのつけた条痕を行くスキーのように走りすぎるからでしょう。」「その結果、表現のたどたどしさが作者の精神の模索を象徴したような氏のこれまでの魅力が消えて、できすぎた失敗作ともいうべきものになっています。」
大岡昇平
男62歳
13 「私は半票ぐらいの気持だった。一人の朝鮮の母親の生涯が、よく描かれているけれど、一人のすでに出来上った作家の、片手間仕事のような印象を私は受けた。」「「砧をうつ女」のような情感的なものでない作品を期待していた。しかしこれを推す委員がいれば、強いて反対する理由はなかった。」
安岡章太郎
男51歳
19 「「砧をうつ女」以外には、とくに推したいものはなかった。」「李恢成の作品は、(引用者中略)主要なものは大抵読んでいるが、こんどの「砧をうつ女」はその中でも最良の一つであろう。」「素直な抒情的な筆がよくのびている。」「母国の土だけでなく風俗も文化も失った憐れな女を、ひとごとならずわれわれに感じさせるところがある。」
瀧井孝作
男77歳
11 「叙情がよくまとまって居た。李恢成氏の作は、こんどで五回候補になったが、私はこれが一番よいと思った。李恢成氏の日本語は、初心なたどたどしい所が新鮮味であったが、この「砧をうつ女」は、またよい意味で、野放図になったと思った。」
丹羽文雄
男67歳
7 「作品としてもうすこし整理をしてほしかった。」「欲をいえば、もらった作品でなしに、たとえば「伽〈人耶〉子のために」「青丘の宿」「われら青春の途上にて」というような作品で堂々と受賞してもらいたかった。それだけが心残りであった。」
舟橋聖一
男67歳
19 「好感の持てる佳篇であった。」「前回までの諸作と較べて、この作が頭抜けているとは思わないし、また特に悪いとも思わない。」「私はこの作の授賞に反対しなかった。」「これがこの作家の掘り当てた鉱脈だとは言えないが、ここまで手を変え品を変えて書いてきて、やっとこの人の憎めない人柄に直面したような気がする。」
選評出典:『芥川賞全集 第九巻』昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和47年/1972年3月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧候補作家の群像選考委員の群像
選評の概要マップ || 受賞作家の一覧へ前の回へ次の回へ