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第37回
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Last Update[H28]2016/1/22

来水明子
Kurumi Akiko
生没年月日【注】 昭和7年/1932年1月26日~平成11年/1999年10月29日(推定)
経歴 本名=胡桃明子、別名=佐藤明子。東京・牛込生まれ。都立駒場高校卒。参議院速記者養成所で学び、参議院記録部速記課に勤める。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第48回サンデー毎日大衆文芸[選外佳作](昭和30年/1955年下期)「月明り」来水秋子名義
  • 第10回オール新人杯(昭和32年/1957年上期)「寵臣」佐藤明子名義
  • |候補| 第37回直木賞(昭和32年/1957年上期)「寵臣」佐藤明子名義
  • |候補| 第46回直木賞(昭和36年/1961年下期)『背教者』
  • |候補| 第1回女流文学賞(昭和37年/1962年)『背教者』
  • |候補| 第47回直木賞(昭和37年/1962年上期)『涼月記』
  • |候補| 第9回小説新潮賞(昭和37年/1962年)『涼月記』
  • |候補| 第2回女流文学賞(昭和38年/1963年)『短夜物語』
  • |候補| 第49回直木賞(昭和38年/1963年上期)『短夜物語』
処女作 「寵臣」(『オール讀物』昭和32年/1957年6月号)佐藤明子名義
サイト内リンク 小研究-記録(年少候補)
備考 上記の没年月日については、
ご親族の方からメールにてご教示いただきました。
ご親切にお教えいただき、
この場を借りて御礼申し上げます。
(2011.7.29)
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直木賞 第37回候補  一覧へ

ちょうしん
寵臣」(『オール讀物』昭和32年/1957年6月号)佐藤明子名義
媒体・作品情報
誌名 「オール讀物」  別表記表紙 「文藝春秋」併記
巻号 第12巻 第6号  別表記6月号
作品名 別表記 本文 ルビ有り「ちようしん」
印刷/発行年月日 印刷 昭和32年/1957年5月20日 発行 昭和32年/1957年6月1日
発行者等 編集人 小野詮造 発行人 池島信 印刷人 柳川太郎 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 文藝春秋新社(東京都)
装幀/装画等  野口
総ページ数 324 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
20字
×26行
×3段
本文ページ 158~181
(計24頁)
測定枚数 81
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>昭和32年/1957年9月・東京文芸社刊『代表作時代小説 昭和三十二年度』所収
>>昭和53年/1978年7月・東京文芸社刊『代表作時代小説 第3巻 昭和32年/1957年度』所収
>>平成4年/1992年1月・講談社刊『歴史小説名作館5 戦国2 雲のかかる峰』所収
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候補者 佐藤明子 女25歳
選考委員 評価 行数 評言
吉川英治
男64歳
5 「ものたらなさはあるが、それにしても、いつもの候補作品よりは、たちまさっていると私は思った。」
永井龍男
男53歳
0  
井伏鱒二
男59歳
11 「キリシタン会士の報告書のスタイルを取入れた武将伝だが、大がかりな抑揚が少くて適宜な節度も情緒も感じられ好感が持てた。」
木々高太郎
男60歳
7 「読者のことは考えず、或いは考えられず一心になってかいたという感じが、僕にはゆとりをもって読めなかった。」
村上元三
男47歳
6 「女流とは思えないようながっしりした構成で歴史小説を書いている態度に感心はしたが、第二作を読ませてもらってからでもいい、と思う。」
川口松太郎
男57歳
0  
大佛次郎
男59歳
10 「骨格もしっかりしているし石田三成をこれまでになかった新らしい見方をしていて面白かった。」「しかし、まことに直木賞的に過ぎるのである。」
小島政二郎
男63歳
0  
選評出典:『オール讀物』昭和32年/1957年10月号
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文量
短篇
章立て
「一」~「四」
時代設定 場所設定
戦国~江戸初期  長崎~堺~京~大垣など
登場人物
石田治部(太閤の第一の寵臣)
優里(秀次の愛妾の一人、きりしたん)
林弥三郎(石田治部の元・家臣)
秀吉(太閤)
西ノ丸(淀、秀吉の側室)
バルタザール・デ・トルレス師(在日のイエズス会員)




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はいきょうしゃ
背教者』(昭和36年/1961年7月・東都書房刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「はいきょうしゃ」
印刷/発行年月日 発行 昭和36年/1961年7月5日(初版)
発行者等 発行者 西村俊成 印刷所 文弘社 製本所 横田製本株式会社
発行所 東都書房(東京都) 形態 四六判 上製 函入り
装幀/装画等 装幀 山崎百々雄
総ページ数 238 表記上の枚数 『涼月記』内の広告 580枚 基本の文字組
(1ページ当り)
25字
×21行
×2段
本文ページ 5~238
(計234頁)
測定枚数 615
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候補者 来水明子 女29歳
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎
男64歳
16 「よみづらい書き方で、僕は数日をかけた。」「内容は、僕も嫌いではない。」「この作家は、いいものを持っているのだから、この際書き方を一変してみたらどうか。」
源氏鶏太
男49歳
8 「この努力には、頭を下げた。」「私がそれほどに高く評価出来なかったのは、この物語文学の形式が、成功していると思われなかったからである。」
中山義秀
男61歳
14 「これは読者を苛立たせるための労作かと、怪しまれるまわりくどさに辟易した。」「史実の調査に遺漏はなくそのひたむきな努力に敬意を表して、私はこの作品に最後の一票を投じた」
大佛次郎
男64歳
19 「「背教者」の内容に一番感心した。女のひとだから繊細すぎて読者を疲れさせる欠点はあるが、コンポジションがしっかりして面白いし、とにかく調べたもので、月並に物を書く努力ではない。」
川口松太郎
男62歳
12 「主題にがっちり喰い下って丹念に描いて行くねばりの強さには感服した。最後まで力を抜かず息切れもせず調子をくずさなかった筆力は将来のある人と思い次回作を期待する。」
海音寺潮五郎
男60歳
17 「ぼくはこの作品を買わなかった。」「何よりも、読みにくかった。(引用者中略)人間の書きわけがないためだと思った。」「小説というものを、根本からじっくりと考えなおしていただきたい。」
今日出海
男58歳
20 「文章も確りしている。」「訥々と語って真に迫るのならわかるが、まことによく喋りすぎて真から離れるのは惜しい気がする。しかしこれだけの物語をよく調べて書ける実力は他日必ず大成する人に違いない。」
松本清張
男52歳
0  
村上元三
男51歳
10 「文章や語句に対する神経の使い方は細かく行き届いているが、それがかえって平板な印象を与える。」「作者の説く哲学は甘くて、文学少女的な感じを受ける。」
小島政二郎
男67歳
7 「人間が書けていないので、人間が紙にベットリくっついたまま浮き上って来ないので、退屈で退屈で参った。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年4月号
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文量
長篇
章立て
「第一章」~「第十四章」
時代設定 場所設定
戦国~江戸初期  仙台~長崎など
登場人物
孤窓(博多聖福寺の旅僧、仙台城下で捕縛)
有馬掃部(肥前相津領主、棄教者)
有馬修理大夫(掃部の異母弟、肥前日野江城主)
有馬左衛門佐直澄(修理の嫡子)
ルシヤ(修理の最初の妻、掃部のかつての縁談相手)
ドンナ・イネス(ルシヤの侍女)
小太郎(掃部の一人息子)
陸奥守政宗(仙台城主)
ペドロ・デ・サン・トマス師(フランシスコ会宣教師、仙台にて監禁中)




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りょうげつき
涼月記』(昭和37年/1962年3月・東都書房刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「りょうげつき」
印刷/発行年月日 発行 昭和37年/1962年3月15日(初版)
発行者等 発行者 西村俊成 印刷所 文弘社 製本所 大光堂
発行所 東都書房(東京都) 形態 四六判 上製 函入り
装幀/装画等 装幀 川田 幹
総ページ数 270 表記上の枚数 『涼月記』内の広告 580枚 基本の文字組
(1ページ当り)
25字
×21行
×2段
本文ページ 5~270
(計266頁)
測定枚数 699
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候補者 来水明子 女30歳
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎
男65歳
20 「今度の「涼月記」は、ずっとよみよかった。」「とに角明智光秀をこのように解釈した人を、僕はまだ知らぬ。」「この作者の長篇一本でゆく逞しさも僕は買っている。」
海音寺潮五郎
男60歳
9 「力作だが、この作中のストーリー・テラーは現実に時代の波に漂わされた人の感じがしない。」
源氏鶏太
男50歳
5 「前回の「背教者」よりも進歩のあとが読み取られた。殊に、私には、信長と日向守との仲の描き方が面白かった。」
村上元三
男52歳
9 「作者の史観があまくて、肝腎の信長と光秀との葛藤が描き切れていない。」「もっと簡潔に作品を仕立てあげる苦労をすべきであろう。」
中山義秀
男61歳
7 「まじめな努力を買う。惜しむらくは、読者を作中にひきこんでゆく筆力に、盛上る勢を欠いでいるようで、」
小島政二郎
男68歳
13 「人間なり舞台なりすべてが、文章から離れて紙面から立ち上って来ないと小説の文章ではない。その点、なんとかして是非会得してもらいたい。」
大佛次郎
男64歳
25 「最初の予選通知に来水氏の「涼月記」が入っていなかったので、私から推して入れて貰った。他の作品に劣るものとは信じなかった。」「しかし、(引用者中略)他人に語らせて重ねて話を進めて行く展開の技法が、込み入り過ぎて読みづらくするのである。」
川口松太郎
男62歳
0  
今日出海
男58歳
15 「あまりに描写に拘泥し、くどくどと書きすぎると、大衆性のみならず、現代性まで失う恐れがある。」「これだけの史観と表現力を持っている人は埋れることはあるまいと私は信じている。」
松本清張
男52歳
22 「もう少し材料の整理をし、焦点をはっきりとさせる必要がある。」「凝った文章が、この長篇に満遍なくちりばめてあるのも、作者が苦心したほどの効果がなく、かえって重苦しく感じさせた。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年10月号
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文量
長篇
章立て
「序章」「第一章」~「第十二章」「終章」
時代設定 場所設定
戦国~江戸初期  京~岐阜~安土~坂本~甲府などゥ
登場人物
私(語り手、かつての能役者・観世小次郎)
織田信長(小次郎の仕える主人)
明智光秀(日向守、信長配下の武将)
羽柴秀吉(筑前守、信長配下の武将)
細川藤孝(幽斎、兵部大輔)
城介(信長の嫡男、光秀に心酔)
乙菜(小次郎の義妹で許婚)




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みじかよものがたり
短夜物語』(昭和37年/1962年12月・東都書房刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「みじかよものがたり」
印刷/発行年月日 発行 昭和37年/1962年12月10日
発行者等 発行者 西村俊成 印刷所 文弘社 製本所 文信社
発行所 東都書房(東京都) 形態 四六判 上製 函入り
装幀/装画等 装幀 池田仙三郎
総ページ数 229 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
44字
×18行
×1段
本文ページ 5~229
(計225頁)
測定枚数 404
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書誌
>>書下ろし
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候補者 来水明子 女31歳
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎
男63歳
8 「この作家の、材料と取り組む態度に問題がある。当人の気負っているほど技量が進歩していない。」
村上元三
男53歳
16 「併せてもう一人、という説が選考の席上で出た時、来水明子氏の「残花集」を推した」「この作者は、理窟を言う前に、もっと小説の省略法を覚えたほうがいい。」
源氏鶏太
男51歳
0  
大佛次郎
男65歳
36 「来水氏の短篇を、「短夜物語」より上に出ていると信じ贔屓にした。」「このひとの一皮も二皮も脱いでから後が楽しみである。才能が豊か過ぎるのではないか。」
木々高太郎
男66歳
16 「今度の「短夜物語」も悪癖がまた出て了った。これは手前勝手の書き方で、よみにくい。」「このまま、いつまでも依怙地な書き方で、ますますよみづらい小説を書くようになり、自滅するのではないか。」
海音寺潮五郎
男61歳
16 「この作家はきわめて頑強な個性をもっている。」「あるいは大器かも知れないが、今のところは何ともわからない。」
中山義秀
男62歳
0  
松本清張
男53歳
14 「相変らず歴史上有名な事件と人物とが展示会のようにくりひろげられるが、解釈に新鮮さがないから退屈なだけだ。」「これでは鴎外を攻撃するのに子供らしさが目立つだけだ。」
今日出海
男59歳
17 「どれもよく調べた力作であるが、クセの強い人柄か、作品の構成にクセが出て、全体のバランスを損っている。」
小島政二郎
男69歳
3 「この人は人間を書こうとせずに文章を書いている。」
選評出典:『オール讀物』昭和38年/1963年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 宵闇」「第二章 満ち潮」「第三章 月の出」「第四章 暁風」「第五章 曙」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]  備後~安土など
登場人物
松意(幼名・千寿、盲目の青年、絵師、岸和田城主・安宅冬康の末子)
三好左京大夫の妹(松意の従姉、洗礼名カタリナ)
小早川左衛門佐隆景(三原城主、毛利家の外交役)
麻生の方(隆景の側室)
津田宗及(堺の豪商)
一色兵庫介(前将軍足利義昭の近侍)




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