このページの情報は「芥川賞のすべて・のようなもの」内の「候補作家の群像 木野工」と同じものです。 | ||
生没年月日【注】 | 大正9年/1920年6月15日~平成20年/2008年8月3日 | |
経歴 | 北海道旭川市生まれ。北海道帝大工学部卒。元・北海タイムス論説委員。 | |
受賞歴・候補歴 | ||
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「粧われた心」(『新潮』昭和28年/1953年12月号)
媒体・作品情報
書誌 昭和47年/1972年☆月・光風社書店刊『樹と雪と甲虫と』所収
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「煙虫」(『冬濤』13号[昭和31年/1956年12月])
媒体・作品情報
書誌 昭和33年/1958年7月・緑地社刊『凍雪』所収
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「紙の裏」(『赤門文學』2号[昭和35年/1960年10月])
媒体・作品情報
書誌 『文學界』昭和35年/1960年12月号再録
『文藝春秋』昭和36年/1961年3月号
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「凍(しばれ)」(『文學界』昭和36年/1961年6月号)
媒体・作品情報
書誌 昭和47年/1972年☆月・光風社書店刊『樹と雪と甲虫と』所収
昭和56年/1981年8月・立風書房刊『北海道文学全集 第20巻 さまざまな座標』所収
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「怪談」(『文學界』昭和37年/1962年4月号)媒体・作品情報
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「襤褸」
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誌名 | 「北方文芸」 | ||||
巻号 | (1)第3巻 第7号 (2)第4巻 第7号 別表記(1)7月号 (2)7月号 | ||||
作品名 別表記 | (1)目次 「襤(らんる)褸」 (2)表紙 「続・襤褸」 目次 「続 襤褸」 | ||||
副題等 | (2)本文 「(承前)」 | ||||
印刷/発行年月日 | (1)発行 昭和45年/1970年7月1日 (2)発行 昭和46年/1971年7月1日 | ||||
発行者等 | 発行人 沢田誠一 編集人 小笠原 克 印刷人 石川 清 印刷所 札幌三光印刷株式会社(札幌市) | ||||
発行所 | 北方文芸社(札幌市) | ||||
総ページ数 | (1)136 (2)136 | 表記上の枚数 | 1.2.表紙・目次 444枚 | 基本の文字組 (1ページ当り) |
26字 ×23行 ×2段 |
本文ページ | (1)12~69 (2)39~135 (計155頁) |
測定枚数 | 436枚 |
書誌
昭和47年/1972年6月・新潮社刊『襤褸』/単行本化に当たり一章~三章まで章割り
候補者 木野工 51歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
源氏鶏太 | 59歳 |
◎ | 16 | 「もし授賞作を選ぶとすれば、「自動巻時計の一日」と「襤褸」のどちらか、であろうと思って選考会に出席した」「今でも「襤褸」が惜しかったと思っている。」「必ずしも器用でないし、省略すべき点もいろいろあるが、全身をぶっつけるようにして書いてある。濃度がある。」 |
川口松太郎 | 72歳 |
△ | 26 | 「諸作品中これだけが人間性を貫いている。残酷な人生を風のように流されて死んで行く売女の哀れを感情をこめずに書いている。」「無駄を書かずにおけば作品になれたものを、愚にもつかぬ無駄が呆れるほどの枚数を使っている。」「花子の描写は芸術だが、遊郭の説明は新聞記者の報道記事だ。そこにこの作品の失敗がある。」 |
石坂洋次郎 | 71歳 |
■ | 8 | 「明治三十年代、東北地方の津軽に生れ育った私は、周辺にこれと似た貧しい人々の生活をたくさん眺めて来ているが、それだけに暗い思い出をそそられて拾い上げる気になれなかった。」 |
司馬遼太郎 | 48歳 |
― | 0 | |
村上元三 | 61歳 |
□ | 13 | 「強力に推すのには弱い」「調べたことを生のまま書きすぎて、作品の中に消化していない。」「この作家は筆力も豊かだし、物語性のある作品を期待したい。」 |
柴田錬三郎 | 54歳 |
○ | 10 | 「あるいは当選するのではあるまいか、という気持で、選考会に臨んだのであるが、大半の委員が、自然主義時代から一歩も出ていない、という意見に屈せざるを得なかった。しかし、私は、作者の努力をみとめるのに、やぶさかではない。」 |
大佛次郎 | 74歳 |
△ | 28 | 「文章も態度も立派で、文学として優れ、(引用者中略)日本の自然主義文学の時代に、仮に田山花袋がこの小説を書いて発表したものとしたら、一世を聳動し、「重右衛門の最後」以上に深刻な作品として今日にも重きを為す名作として残ったろうと思う。しかし出る時が五十年遅れた。」「私など大いに感心したが文学の進歩に逆転する恨み無きを得ない。」 |
水上勉 | 52歳 |
△ | 16 | 「印象ぶかく読んだ」「この作者は確かな眼をもっている。が、如何せん文体が古くて、時代の背景や史実に力を入れすぎたために、主人公の方がうすれたところがあり、惜しいと思った。」「こういう作風には好意ももったのだけれど、受賞となると手入れが足りない。」 |
今日出海 | 68歳 |
■ | 8 | 「力作であった。まことに綿密に調べて、感心したが、調べた部分と主人公の人生とのつながりが分裂しているというよりは消化し切れていない憾みがあった。」 |
松本清張 | 62歳 |
● | 9 | 「古めかしい自然主義ふう(派とはいわない)の作品で、ざらざらした印象だけだ。売春婦の哀れが類型的に積み上げられているだけで、性格の個性が一つも出ていない。」 |
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年4月号 |
文量 | |
長篇 | |
章立て | |
なし | |
時代設定 | 場所設定 |
昭和初期 | 北海道雄冬~旭川など |
登場人物 | |
●花(吉川楼の娼妓) ●すぎ(花の母親) ●一郎(花の姉女郎) ●中島爺(中島遊郭で働く正体不明の老人) ●山伸(周旋屋) ●はま(吉川楼の女将) ●菊乃(吉川楼の隣にある大正亭の女将) |