このページの情報は「芥川賞のすべて・のようなもの」内の「候補作家の群像 島本理生」と同じものです。 | ||
生没年月日【注】 | 昭和58年/1983年5月18日~ | |
経歴 | 東京都板橋区生まれ。立教大学文学部日本文学科中退。小学生の頃から小説を書き始める。平成13年/2001年に群像新人文学賞優秀賞を受賞し、作家デビュー。 | |
受賞歴・候補歴 |
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サブサイトリンク |
「リトル・バイ・リトル」(『群像』平成14年/2002年11月号)
媒体・作品情報
書誌 平成15年/2003年1月・講談社刊『リトル・バイ・リトル』
平成18年/2006年1月・講談社/講談社文庫『リトル・バイ・リトル』
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「生まれる森」(『群像』平成15年/2003年10月号)
媒体・作品情報
書誌 平成16年/2004年1月・講談社刊『生まれる森』
平成19年/2007年5月・講談社/講談社文庫『生まれる森』
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『ナラタージュ』(平成17年/2005年2月・角川書店刊)
書誌 平成20年/2008年2月・角川書店/角川文庫、角川グループパブリッシング発売『ナラタージュ』
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「大きな熊が来る前に、おやすみ。」(『新潮』平成18年/2006年1月号)
媒体・作品情報
書誌 平成19年/2007年3月・新潮社刊『大きな熊が来る前に、おやすみ。』所収
平成22年/2010年3月・新潮社/新潮文庫『大きな熊が来る前に、おやすみ。』所収
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『真綿荘の住人たち』(平成22年/2010年2月・文藝春秋刊)
書誌 平成25年/2013年1月・文藝春秋/文春文庫『真綿荘の住人たち』 |
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『アンダスタンド・メイビー』(上)(下)
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印刷/発行年月日 | (上)(下)発行 平成22年/2010年12月10日(初版) | ||||
発行者等 | 発行者 浅海 保 印刷 三晃印刷 製本 小泉製本 | ||||
発行所 | 中央公論新社(東京都) | 形態 | 四六判 上製 | ||
装幀/装画等 | (上)(下)装画 小林直未 装幀 多田和博 | ||||
総ページ数 | (上)367 (下)333 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
43字 ×18行 ×1段 |
本文ページ | (上)3~367 (下)3~332 (計695頁) |
測定枚数 | 1223枚 |
書誌
書下ろし
平成26年/2014年1月・中央公論新社/中公文庫『アンダスタンド・メイビー』(上)(下)
候補者 島本理生 28歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
伊集院静 | 61歳 |
◎ | 21 | 「候補作の中でもっとも好きな作品だった。読んでいて、センスの良い小説だと感心した。このセンスが才気としたら、“タレント”より“ギフト”ではないかと思った。小説家の大切な資質だ。北関東の小都市の街の風土、湿っぽさ、人の肌合い。そこで苦悩する一人の少女が女性へと変わる姿が島本さんにしか生み出せない世界で描かれている。」「私は本作品を推したが受賞におよばなかった。」 |
桐野夏生 | 59歳 |
○ | 20 | 「もしかすると、この作品を冗漫だと感じる方も多いかもしれない。トーンが一定していない、と不満に思う人もいるだろう。だが、青春というものはこういう姿をしているのではなかったか、と何度も思った。」「おそらく、大勢の若い女性がこの物語によって救われることだろう。よい小説を読んだ。」 |
宮城谷昌光 | 66歳 |
■ | 21 | 「やや冗長である。すっきりした輪郭をみせてくれれば、質は上昇したであろうに、小説の体形が良くない。」「ただし氏にはユーモアがあり、そのユーモアは対象との知的な距離のとりかたを示唆している。それをもっと活かすべきである。氏にたいして少々わかりにくいことをいえば、小説のなかに傾斜を作ることを考えてもらいたい。その上に人と物を載せれば、押さなくても、すべっていってくれるのである。」 |
北方謙三 | 63歳 |
○ | 35 | 「トラウマの中に、人間の存在に対するひたむきな問いかけがあり、それが観念ではなく描写という段階の表現に達しているところに、この作家の非凡さを感じた。」「ただ主人公の自殺未遂のあとの病院の描写や、宗教についての書きようなど、どこか安直さがあった。」「これを直木賞としてどう評価するかについては、私は最後まで迷った。」「私は迷った末、『下町ロケット』と『アンダスタンド・メイビー』に丸をつけて臨んだ。」 |
阿刀田高 | 76歳 |
△ | 21 | 「若い作家だが、筆致にも技巧にも小説家らしさが漲っていて、そこに不足はない。ただ楽しめる小説かどうかと問えば(楽しみの種類はいろいろあるにせよ)評価はむつかしい。」「結局“受賞作は一作としたい”という(つねには守られていない)願いが私の心を強く占めた。」 |
渡辺淳一 | 77歳 |
■ | 24 | 「高校を中退して通信教育を受け、写真家のアシスタントになる過程が比較的テンポよく書かれているが、そこから今一歩、踏み込んだ青春の苦渋や迷いにまでは達していない。」「「窓辺の席で頬杖をついて左右に揺れながら、うっすらと目を細めると、かすかな眠気と空腹が立ち上がってきた」とは、なんたる駄文。かつてこんな文章を平気で書く作家もいなかったが、また、これを平然とのせる編集者もいなかった。」 |
林真理子 | 57歳 |
■ | 20 | 「私はどうしても評価出来なかった。」「幼女の性的虐待、レイプ、新興宗教と、小道具が次から次へと出てくる。主人公のキャラクターを設定するのに、これほどたくさんのものが必要であったろうか。愚かさや不幸にこれだけの理由がいるのか、おおいに疑問で、物語世界に入っていけなかった。」 |
浅田次郎 | 59歳 |
○ | 16 | 「作品としての完成度には疑問を抱いたが、この作者のうちには「小説とはこういうもの」という法律があるようで、その無意識の心構えが、たとえば礼節を弁えた良家の子女のような居ずまいたたずまいのよさを感じさせた。」「おそらく受賞は力に変わると信じて推奨した。」 |
宮部みゆき | 50歳 |
■ | 40 | 「真摯に丁寧に描かれているからこそ、ヒロイン・黒江たどる道筋は、創作というより、現実の酷い事象の物語化に留まってしまった感がありました」「この作品で図抜けて凄い創作は、むしろ黒江のお母さんの人間像の方ではないでしょうか。」「主人公の選択を誤ったのではないかという残念な思いが残りました。」 |
選評出典:『オール讀物』平成23年/2011年9月号 |
文量 | |
長篇 | |
章立て | |
「第一章」~「第四章」 | |
時代設定 | 場所設定 |
約10年前 | 茨城~東京~沖縄~長崎など |
登場人物 | |
●私(語り手、藤枝黒江、中学三年生~高校を経てカメラマンアシスタント) ●浦賀仁(カメラマン) ●酒井彌生(黒江の中学時代の同級生) ●羽場(フリーター、黒江の友人の先輩) ●小田桐綾乃(大学生、元モデル) ●母(黒江の母親、研究所勤務) |
「夏の裁断」(『文學界』平成27年/2015年6月号)
媒体・作品情報
書誌 平成27年/2015年8月・文藝春秋刊『夏の裁断』
平成30年/2018年7月・文藝春秋/文春文庫『夏の裁断』所収
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『ファーストラヴ』(平成30年/2018年5月・文藝春秋刊)媒体・作品情報
書誌 初出『別冊文藝春秋』平成28年/2016年7月号~平成30年/2018年1月号
令和2年/2020年2月・文藝春秋/文春文庫『ファーストラヴ』
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