直木賞のすべて
第97回
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山田詠美
Yamada Eimi
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生没年月日【注】 昭和34年/1959年2月8日~
受賞年齢 28歳5ヵ月
経歴 本名=山田双葉(ヤマダ・フタバ)。東京都生まれ。明治大学文学部中退。
受賞歴・候補歴
  • 第22回文藝賞(昭和60年/1985年)「ベッドタイムアイズ」
  • |候補| 第94回芥川賞(昭和60年/1985年下期)「ベッドタイムアイズ」
  • |候補| 第95回芥川賞(昭和61年/1986年上期)「ジェシーの背骨」
  • |候補| 第8回野間文芸新人賞(昭和61年/1986年)『ベッドタイムアイズ』
  • |候補| 第96回芥川賞(昭和61年/1986年下期)「蝶々の纏足」
  • 第6回日本文芸大賞[女流文学賞](昭和61年/1986年)
  • 第97回直木賞(昭和62年/1987年上期)『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』
  • 第1回ベストフットワーカーズ賞(昭和62年/1987年)
  • |候補| 第1回三島由紀夫賞(昭和62年/1987年度)『風葬の教室』
  • 第17回平林たい子文学賞[小説部門](平成1年/1989年)『風葬の教室』
  • 第30回女流文学賞(平成3年/1991年)『トラッシュ』
  • 第24回泉鏡花文学賞(平成8年/1996年)『アニマル・ロジック』
  • |候補| 第25回川端康成文学賞(平成10年/1998年)「眠りの材料」
  • |候補| 第26回川端康成文学賞(平成11年/1999年)「最後の資料」
  • 第52回読売文学賞[小説賞](平成12年/2000年)『A2Z』
  • |候補| 第31回川端康成文学賞(平成17年/2005年)「間食」
  • 第41回谷崎潤一郎賞(平成17年/2005年)『風味絶佳』
  • |候補| 第14回島清恋愛文学賞(平成19年/2007年)『無銭優雅』
  • |候補| 第37回川端康成文学賞(平成23年/2011年)「ブーランジェリー」
  • 第65回野間文芸賞(平成24年/2012年)『ジェントルマン』
  • 第42回川端康成文学賞(平成28年/2016年)「生鮮てるてる坊主」
処女作 「ベッドタイムアイズ」(『文藝』昭和60年/1985年12月号)
サイト内リンク 小研究-記録(年少受賞)
直木賞受賞作全作読破への道Part2
リンク集
備考
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「ベッドタイムアイズ」(『文藝』昭和60年/1985年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文藝」
巻号 第24巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発行 昭和60年/1985年12月1日
発行者等 編集者 高木有 発行者 清水勝 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 232 表記上の枚数 文藝賞発表 101枚 基本の文字組
(1ページ当り)
31字
×24行
×2段
本文ページ 26~54
(計29頁)
測定枚数 102
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書誌
>>昭和60年/1985年11月・河出書房新社刊『ベッドタイムアイズ』
>>昭和62年/1987年8月・河出書房新社/河出文庫『ベッドタイムアイズ』
>>平成8年/1996年11月・新潮社/新潮文庫『ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨』所収
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芥川賞 芥川賞 94回候補 一覧へ
候補者 山田詠美 女26歳
選考委員 評価 行数 評言
吉行淳之介
男61歳
7 「悪くない。終始、セックスを扱っていて汚くならず、良い素質が感じられた。ただ、バラツキのある作品で、新鮮なディテールとへんに理に落ちてつまらなくなるディテールとが混在している。」
水上勉
男66歳
7 「簡潔な文章で、才気がある。黒人兵との性をこんなに描いても汚れが感じられない。うまさでは抜群の思いがし、ひきこまれたが、つくりも劇画風で、心をうつものが残らぬのは、結末の安易さだろうか。」
田久保英夫
男57歳
9 「文章力と感覚のかがやきに注目した。ただその文才のあまり、「ディック」とか「プッシイ」などの暗喩めいた英語、英語のカタカナに日本語のルビ、その逆の表記の多用が、作品の雰囲気のための飾りに使われている。この飾りをとれば、対象が黒人兵であれ誰であれ、肉体から心の愛に至る男女の物語は単純で、とくに斬新さはない。」
安岡章太郎
男65歳
0  
古井由吉
男48歳
0  
中村光夫
男74歳
8 「作者が自己の感性を充分に生かしきった作品で、若い作者の優れた資質をうかがわせるものです。」「センセーショナルな材料を扱いながら、不潔でなく、読後感がさっぱりしているのは、これが男女のむしろ古風とも思われる純愛悲恋物語と読めたせいかもしれません。」
遠藤周作
男62歳
13 「既にジャーナリズムの評判になり、受賞作の有力候補といわれていた。実際、読んでみると、なみなみならぬ筆力であり、はじめて書いた作品とは思われないが、私には「マリア姉さん」が描かれておらず、またこのような性格の女性が恋人の肉体以外に関心を持たぬ筈はないという疑問が最後まで残ってしまった。」「私の気持としてはこれら四作(引用者注:「過越しの祭」「ベッドタイムアイズ」「エチオピアからの手紙」「果つる日」)はほんの僅かの差しかない。」
三浦哲郎
男54歳
8 「豊かな表現力に驚かされたが、新鮮さと古風さとの不思議な混交ぶりには首をかしげざるを得なかった。」「いずれにしても、これほどの才筆の持主ならもう一作見てからでも遅くはないと思った。」
開高健
男55歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和61年/1986年3月号)
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せぼね
「ジェシーの 背骨」(『文藝』昭和61年/1986年夏季号[5月])
媒体・作品情報
誌名 「文藝」  別表記表紙 「QUARTERLY The BUNGEI」併記 表紙・目次 「季刊」併記
巻号 第25巻 第2号  別表記夏季号
印刷/発行年月日 発行 昭和61年/1986年5月1日
発行者等 編集者 高木有 発行者 清水勝 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 359 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
31字
×25行
×2段
本文ページ 64~97
(計34頁)
測定枚数 126
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書誌
>>昭和61年/1986年7月・河出書房新社刊『ジェシーの背骨』
>>『文藝春秋』昭和61年/1986年9月号
>>昭和62年/1987年8月・河出書房新社/河出文庫『ジェシーの背骨』
>>平成5年/1993年3月・角川書店/角川文庫『ジェシーの背骨』
>>平成8年/1996年11月・新潮社/新潮文庫『ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨』所収
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芥川賞 芥川賞 95回候補 一覧へ
候補者 山田詠美 女27歳
選考委員 評価 行数 評言
吉行淳之介
男62歳
8 「手応え十分の部分と強くて鋭い細部とユニークな新鮮さがあるが、それと正反対のものも同じくらいの分量だけある。興味のある存在で、才能があることはたしかだが、その質について判断がつきかねるところがある。」
開高健
男55歳
8 「少年の非行ぶりの突ッ飛さや悪辣さを描く場面は手ごたえがある。意表を突かれることがあって新鮮であり、たちどまることができる。」「しかし、終末近くになってにわかにグッド・ボーイになるあたりから作品全体がダメになる。」
安岡章太郎
男66歳
8 「甚だ知的な意識的な態度で対象から自分の姿を隠すように書かれている。」「こういう知的な操作の裏側に、作者は金属バット的な或る狂暴なものを秘めており、それが何であるかはおそらく作者自身にも見えていない。その隠されたものが、もし本当に姿をあらわしてくれば、行き詰った現状に風穴をあける作品が期待できるだろう。」
田久保英夫
男58歳
8 「黒人への愛情が、その子供との日常的な葛藤に引きこみ、男の子とのかかわり方が変転していくあたり、巧い。しかし、文章の力が余ってか、説明的な意味づけが多く、効果を減じているのが惜しまれる。」
古井由吉
男48歳
11 「作品中、《彼女は彼が憎しみの空気に対して鈍感である事を悟った》という言葉があり私の目を惹いた。読みすすむうちにしかし、この男性の人物が自他の憎悪にたいしてきわめて神経質であり、逃避反応のあまり、その点での「不能」に陥っていることが分かる。」「この作品もまた(引用者注:「熱愛」と共に)「欠損」のほうを踏まえて立とうとする小説か。」
遠藤周作
男63歳
0  
三浦哲郎
男55歳
10 「前作の新鮮さやうまさは感じられないもののセックス抜きの人間関係の陰影がかなり色濃く描き出されていて、なみなみならぬ力量を感じた。けれども、前半では主人公の平凡で幼い発見の解説が煩わしく、後半では結末の和解がやはり唐突に感じられた。」「多彩な才能の持主らしいが、この次の作品が正念場になるのではないか。」
水上勉
男67歳
8 「ストーリーの巧さである。要所要所で出す道具も見世場も巧妙で、最後に階段をあがってゆくジェシーの背中を描くあたり、みごとな映像だ。」「ぼくは子供の背骨を見つめるココの眼に、人生の愁苦を感じて、あと味がよかった。」「名品を生むためには、もう一つの文芸上の深彫りがという気持を感じたのである。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和61年/1986年9月号)
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ちょうちょう てんそく
蝶々の 纏足」(『文藝』昭和61年/1986年文藝賞特別号[12月])
媒体・作品情報
誌名 「文藝」  別表記表紙 「QUARTERLY The BUNGEI」併記 表紙・目次 「季刊」併記
巻号 第25巻 第5号  別表記文藝賞特別号
印刷/発行年月日 発行 昭和61年/1986年12月1日
発行者等 編集者 高木有 発行者 清水勝 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 359 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
31字
×25行
×2段
本文ページ 198~225
(計28頁)
測定枚数 103
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書誌
>>昭和62年/1987年1月・河出書房新社刊『蝶々の纏足』
>>昭和62年/1987年8月・河出書房新社/河出文庫『蝶々の纏足』
>>平成9年/1997年3月・新潮社/新潮文庫『蝶々の纏足・風葬の教室』所収
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芥川賞 芥川賞 96回候補 一覧へ
候補者 山田詠美 女27歳
選考委員 評価 行数 評言
田久保英夫
男58歳
7 「少女期からの二人の女性の内的角逐を描いて、変らぬ筆力が見える。」「にわかに別れる終章の説明部分は、急ぎすぎた。ここで、もう一人の少女の結婚のような関係と時間の飛躍もあり、やはり肝心なところに肉づけが足りない。」
水上勉
男67歳
13 「三度目の候補だがこの作が山田さんの仕事でいちばん低い、と思えた。才能は抜群で、しゃれた云いまわしもあって読ませるものの後半がつまらない。」「何といっても一作目の緊張感がなく、話がまともで通俗的となり、山田さんのバイタリティがうすれたと思う。」「前二作の力量もあって、こんどの作が少し弱くても賞をさしあげても、という意見に六分までぼくも手をあげかけたのだが押えた。」
古井由吉
男49歳
0  
吉行淳之介
男62歳
13 「前回の選評で「才能があることはたしかだが、その質について判断がつきかねるところがある」と書いたが、私としてはその言葉をそのまま次回に持ち越すことになった。」「作者の手つきが見えてしまうところや、未醗酵のためとおもいたいのだが、弛緩してたよりない部分がある。そういうマイナスに眼をつむってしまおうか、という考えが私を含めて何人かの委員にあったが、結局できなかった。」
三浦哲郎
男55歳
6 「力作だが、新しい発見も驚きもなかった。筆力は充分なのだが、作者のよさが素直に出ていないのは素材のせいだろうか。作者はこの素材にあまり気乗りがしなかったのではないか。それとも、逆に、取って置きだったからつい固くなったのか。」
開高健
男56歳
12 「この人にはストーリーらしいストーリーを作ろうという強い意識があって“作文”ではないという一点。ひょっとすると“悪達者”と評されるかもしれない達者さという一点。この二点で私は買いに出た。」「惜しくも今回は長蛇を逸したけれど、その口惜しさや恨みを燃料として次作の飛躍を試みてほしい。あなたはまだ若い。まだまだやれます。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和62年/1987年3月号)
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直木賞 第97受賞  一覧へ
『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』(昭和62年/1987年5月・角川書店刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙・背・奥付 「ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー」  「Soul Music,Lovers Only」併記
印刷/発行年月日 発行 昭和62年/1987年5月6日(初版)
測定媒体発行年月日 発行 昭和62年/1987年7月25日(再版)
発行者等 発行者 角川春樹 印刷所 大日本印刷株式会社 製本所 株式会社鈴木製本所
発行所 株式会社角川書店(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 戸田ツトム 装画 小野利明
総ページ数 215 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
38字
×15行
×1段
本文ページ 3~212
(計210頁)
測定枚数 253
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書誌
>>昭和62年/1987年11月・角川書店/角川文庫『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』
>>『オール讀物』平成1年/1989年臨時増刊号<直木賞受賞傑作短篇35>[3月]
>>平成9年/1997年6月・幻冬舎/幻冬舎文庫『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』
>>平成11年/1999年7月・角川書店刊『女性作家シリーズ21 山田詠美・増田みず子・松浦理英子・笙野頼子』所収
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収録作品の書誌
WHAT'S GOING ON
>>初出『月刊カドカワ』昭和61年/1986年4月号
ME AND MRS.JONES
>>初出『月刊カドカワ』昭和61年/1986年5月号
>>平成19年/2007年9月・文藝春秋刊『はじめての文学 山田詠美』所収
黒い夜
>>初出『月刊カドカワ』昭和61年/1986年6月号
PRECIOUS PRECIOUS
>>初出『月刊カドカワ』昭和61年/1986年9月号
MAMA USED TO SAY
>>初出『月刊カドカワ』昭和61年/1986年10月号
GROOVE TONIGHT
>>初出『月刊カドカワ』昭和62年/1987年1月号
FEEL THE FIRE
>>初出『月刊カドカワ』昭和62年/1987年2月号
男が女を愛する時
>>初出『月刊カドカワ』昭和62年/1987年3月号
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候補者 山田詠美 女28歳
選考委員 評価 行数 評言
陳舜臣
男63歳
25 「なによりも感心し、羨しくもかんじたのは、ことばが作者のからだに密着していることである。」「この言語の感性は天賦のものというほかなく、よけいなアドバイスは無用ではあるまいか。」「このひとは、十年二十年、そしてもっと先まで、どのように変わって行くにせよ、読者をたのしませつづける、たぐいまれな作家であることはまちがいない。」
藤沢周平
男59歳
25 「才能は疑いがないものである。私たち読者が、耳にピアスをして強い香水の匂いを発散させるジゴロを「粋」だと感じることが出来るのは、この作家の天性の才能と肯定的で力のある文章による説得力のせいである。」「ただ話のつくりはやや古風で、また八篇の短篇がすべて傑作というわけでもない。」「しかしその(引用者注:私が感服した)三篇が、山田さんのほかには誰も書かない小説であるのもたしかなことに思われた。」
黒岩重吾
男63歳
15 「氏の処女作「ベッドタイムアイズ」で受けた感動はなかった。感性の表現力が稀薄になっているせいか、人物が具象化されて迫って来ない。」「私は白石一郎と山田詠美の両氏が候補になったところに直木賞の意義がある、という井上委員の発言に触発され、氏の受賞に賛成した。」
田辺聖子
女59歳
49 「山田氏の文学の最もすぐれた部分を示しているように思われる。物語の語り手の資質を顕示したのだ。」「やっとサガンを抜く女流作家が日本にも出たといったら過褒だろうか。とにかく私は山田氏をまず推した。」
井上ひさし
男52歳
58 「悪文も徹底すればいつしか詩を孕み、機智の稔りをもたらし、そして揺ぎない個性と化す。その典型的な例(引用者中略)である。」「物語の部分のコード進行はびっくりするほど古風で正統的であり、むかし読んだ「セブンティーン」誌掲載の好短編を思い出したりした。」
渡辺淳一
男53歳
19 「この作家の才能を認めるのにやぶさかではないが、この作品集はいかにも軽くて、小説づくりの裏が透けて見えすぎる。」「男女の小説はもう少し五官の感触みたいなものでつむぎだしていかないと、上すべりになってしまう。」「前途のある作家だけに、あえて苦言を呈して、受賞に同調した。」
山口瞳
男60歳
17 「私も不潔感なしに不仕鱈な女を書く方法がないものかと考えた時期があり、これは完全にヤラレタと思った。」「どの場合でも山田さんの文章に一種の潔さ、小気味のよさを感ずる。これはもう才能だとしか言いようがなく、この二、三年のうちに凄い小説を書きそうな予感がする。」
村上元三
男77歳
14 「どこの国の話かわからないし、描写がないので、作者のおしゃべりが上っすべりして眼の前に浮んでこない。」「将来、どういう作品を書くのか楽しみでないこともないが、わたしのような読者もびっくりさせてほしい。」
平岩弓枝
女55歳
6 「才筆かも知れないが、軽いという印象が強かった。」「この作家の本質はこれではなかったような気がする。」
五木寛之
男54歳
43 「ひときわ強い印象を受けた作品」「お二人(引用者注:山田詠美と白石一郎)が図抜けていると感じた」「〈ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー〉と〈ベッドタイムアイズ〉を、ほとんど同時といっていい数年の間に書き分けられる山田氏の才能も空前のものだ。」「林芙美子と同様、向日性のいささか古風なヒューマニストである。あえていうならば〈黒いひまわり〉とでも呼ぶべきその資質に、私は文句なしに共感した。」
選評出典:『オール讀物』昭和62年/1987年10月号
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文量
連作短篇集〔8篇〕
時代設定 場所設定
[同時代]  アメリカ
WHAT'S GOING ON
章立て
なし
登場人物
アイダ(人妻)
ロドニー(アイダの昔の恋人、ジゴロ)
ME AND MRS.JONES
章立て
なし
登場人物
僕(語り手、マーサの情夫)
ミセス・ジョーンズ(マーサ、軍人の妻)
黒い夜
章立て
なし
登場人物
私(語り手、ティナ)
ジョニー・ダークウィン(バスケットボール選手)
PRECIOUS PRECIOUS
章立て
なし
登場人物
バリー(ハイスクールの冴えない学生)
ジャニールウ(バリーの憧れの同級生)
MAMA USED TO SAY
章立て
なし
登場人物
ブルース(大学生)
ドロシー(ブルースの魅力的な義母)
GROOVE TONIGHT
章立て
なし
登場人物
カーティス(DJ)
デニス(カーティスの昔の女、男に嫉妬を起こさせる女)
FEEL THE FIRE
章立て
なし
登場人物
イヴァン(OL)
ソニー(イヴァンの恋人、故人)
ルーファス(ソニーの友人)
男が女を愛する時
章立て
なし
登場人物
私(語り手、女流画家)
ウイリー・ロイ(私の前に現れた居候)




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