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第98回
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Last Update[H29]2017/12/15

阿部牧郎
Abe Makio
生没年月日【注】 昭和8年/1933年9月4日~
受賞年齢 54歳4ヵ月
経歴 京都府生まれ。京都大学文学部卒。
受賞歴・候補歴
  • |同人雑誌評| 『文學界』同人雑誌評[ベスト5](昭和35年/1960年4月号)「悲しまぬおれたち」
  • |転載| 『文學界』全国同人雑誌優秀作(昭和35年/1960年8月号)「初舞台」
  • |候補| 第24回文學界新人賞(昭和42年/1967年)「空のなかのプール」
  • |候補| 第59回直木賞(昭和43年/1968年上期)「蛸と精鋭」
  • |候補| 第61回直木賞(昭和44年/1969年上期)「袋叩きの土地」
  • |候補| 第62回直木賞(昭和44年/1969年下期)「われは湖の子」
  • |候補| 第64回直木賞(昭和45年/1970年下期)「アンモニア戦記」
  • |候補| 第65回直木賞(昭和46年/1971年上期)『われらの異郷』
  • |候補| 第1回「噂」小説賞(昭和47年/1972年)
  • |候補| 第67回直木賞(昭和47年/1972年上期)「残酷な蜜月」
  • |候補| 第71回直木賞(昭和49年/1974年上期)「失われた球譜」
  • 第98回直木賞(昭和62年/1987年下期)『それぞれの終楽章』
  • 鹿角市民栄誉章(昭和63年/1988年)
  • 第27回ギャラクシー賞個人賞[ラジオ部門](平成2年/1990年)
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part6
小研究-記録(候補回数)
備考
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直木賞 第59回候補  一覧へ

たこ せいえい
蛸と 精鋭」(『別冊文藝春秋』104号[昭和43年/1968年6月])
媒体・作品情報
誌名 「別冊文藝春秋」  別表記表紙 「別册文藝春秋」 目次・奥付 「別冊文藝春秋」
巻号 第104号  別表記104特別号
作品名 別表記 本文 ルビ有り「たこ」「せいえい」
印刷/発行年月日 印刷 昭和43年/1968年6月3日 発行 昭和43年/1968年6月5日
発行者等 編集兼発行人 山本博章 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 306 表記上の枚数 目次 120枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×25行
×2段
本文ページ 212~245
(計34頁)
測定枚数 105
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書誌
>>昭和44年/1969年10月・文藝春秋刊『袋叩きの土地』所収
>>昭和61年/1986年1月・文藝春秋/文春文庫『蛸と精鋭』所収
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候補者 阿部牧郎 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎
男68歳
1  
源氏鶏太
男56歳
6 「前半がズバ抜けてよかった。それが後半になるとどうも落ちたようだ。」
海音寺潮五郎
男66歳
12 「奇抜な題材であり、話も奇抜に出来ている。」「こんな話を軽快な文章で書いては、読むにたえないアチャラカなものになったろう。だから、このかぎりでは成功しているのだが、これまた文学賞の作品には推しかねる。」
大佛次郎
男70歳
4 「ヨーロッパでもイタリアとスペインだけが蛸を料理して食う。その点、御注意。」
川口松太郎
男68歳
0  
村上元三
男58歳
3 「あとの三分の一で、つまらなくなった。」
今日出海
男64歳
0  
中山義秀
男67歳
6 「ユーモラスだが、わさびがきいていない。滑稽にしろ諷刺にしろ、ピリッとしたところがあって、味もわざも生きてくる、そんな感じがした。」
柴田錬三郎
男51歳
0  
水上勉
男49歳
3 「達者だけのものである。」
松本清張
男58歳
10 「後半に構成上の乱れがあり、効果的な焦点が分散したのは惜しい。最初の貧しい漁村の風俗にはいささか誇張がありながらもそれなりに描けているし、魚市場の仲買が投機性のない商品(スペインダコ)には、値がいくら安くても興味を示さないところなどは面白い。」
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年10月号
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文量
短篇
章立て
「1」~「5」
時代設定 場所設定
[同時代]  北陸の島~大阪
登場人物
杉村浩一郎(水産会社のスペイン蛸担当)
ミサ(漁師の娘、娼婦)
栗田(杉村の同期社員、宣伝部企画主任)




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ふくろだた とち
袋叩きの 土地」(『別冊文藝春秋』107号[昭和44年/1969年3月])
媒体・作品情報
誌名 「別冊文藝春秋」  別表記背・表紙 「別册文藝春秋」 目次・奥付 「別冊文藝春秋」 裏表紙 「別冊 文藝春秋」
巻号 第107号  別表記107特別号
作品名 別表記 本文 ルビ有り「ふくろだた」「とち」
印刷/発行年月日 発行 昭和44年/1969年3月5日
発行者等 編集兼発行人 印南 寛 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 336 表記上の枚数 目次 100枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×25行
×2段
本文ページ 170~202
(計33頁)
測定枚数 101
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書誌
>>昭和44年/1969年10月・文藝春秋刊『袋叩きの土地』所収
>>昭和61年/1986年1月・文藝春秋/文春文庫『蛸と精鋭』所収
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候補者 阿部牧郎 男35歳
選考委員 評価 行数 評言
松本清張
男59歳
0  
大佛次郎
男71歳
17 「話の筋はやや取ってつけたようで、(引用者中略)奇妙な隙があったが、(引用者中略)スキーをこう清新にたくましく描けるものかと、つくづく感心した。」「直木賞の候補作品として見ると、これが文学的過ぎて障礙になるようである。」
海音寺潮五郎
男67歳
3 「前のタコ売りの話の方がよい。」
川口松太郎
男69歳
0  
石坂洋次郎
男69歳
2  
今日出海
男65歳
0  
源氏鶏太
男57歳
8 「感心して読んだ。殊に前半がよかった。」「元海軍兵学校生徒の戦死を狙って果さぬ幕切れのあたりが爽やかである。」
村上元三
男59歳
5 「最後まで読んで、背負い投げを食わされた気がした。しっかりした文章なのに、この作品は構成を誤っていると思う。」
柴田錬三郎
男52歳
0  
中山義秀
男68歳
0  
水上勉
男50歳
0  
選評出典:『オール讀物』昭和44年/1969年10月号
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文量
短篇
章立て
「1」~「7」
時代設定 場所設定
[同時代]~太平洋戦争中  秋田~京都
登場人物
成田明夫(建設会社営業マン)
成田勇二(明夫の弟、20年前当時小学生)
湯瀬浩一郎(ホテル経営者、20年前当時海軍兵学校生徒)




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うみ
「われは 湖の 子」(『オール讀物』昭和44年/1969年7月号)
媒体・作品情報
誌名 「オール讀物」  別表記表紙 「文藝春秋」併記
巻号 第24巻 第7号  別表記7月号
作品名 別表記 本文 ルビ有り「うみ」
印刷/発行年月日 発行 昭和44年/1969年7月1日
発行者等 編集兼発行人 池田吉之助 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
装幀/装画等  松田 穣
総ページ数 358 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
20字
×26行
×3段
本文ページ 314~341
(計28頁)
測定枚数 91
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書誌
>>昭和44年/1969年10月・文藝春秋刊『袋叩きの土地』所収
>>昭和61年/1986年1月・文藝春秋/文春文庫『蛸と精鋭』所収
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候補者 阿部牧郎 男36歳
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎
男72歳
0  
石坂洋次郎
男69歳
2  
川口松太郎
男70歳
0  
村上元三
男59歳
9 「よく書き込んであるのに、レースの場面と会社のセールスをやっているところが交互に出てくる、という構成は、かえって迫力を弱めている。」
海音寺潮五郎
男68歳
6 「この人の技倆は皆認めている。しかし、蛸売りの話を絶頂にして、あとが下って来つつあるので、不安を感じさせるのである。」
柴田錬三郎
男52歳
12 「感心した。」「オールをこぐ、というきわめて単純な動作を、執念ぶかく描写してみせ、なみなみの凡手でないところを、示していた。」「ずば抜けた面白さに乏しかった。」
今日出海
男66歳
0  
水上勉
男50歳
5 「セールスマンの哀感がよくかけていると思ったが、やはり前作の方がいい。」
源氏鶏太
男57歳
7 「一応の出来という程度であろう。」
司馬遼太郎
男46歳
0  
松本清張
男60歳
0  
選評出典:『オール讀物』昭和45年/1970年4月号
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文量
短篇
章立て
「1」~「4」
時代設定 場所設定
[同時代]  大阪~京都など
登場人物
彦田晃(外資系事務機販売会社の新入社員、旧帝大文学部出身、大学時代ボート部員)
藤田(S化学クルーのコックス、彦田の大学時代の先輩)
倉川(彦田の上司、会計機課長)




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せんき
「アンモニア 戦記」(『オール讀物』昭和45年/1970年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「オール讀物」  別表記表紙 「文藝春秋」併記
巻号 第25巻 第12号  別表記12月特別号
作品名 別表記 本文 ルビ有り「せんき」
印刷/発行年月日 発行 昭和45年/1970年12月1日
発行者等 編集兼発行人 池田吉之助 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
装幀/装画等  秋野卓美
総ページ数 368 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
20字
×26行
×3段
本文ページ 162~176
(計15頁)
測定枚数 53
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書誌
>>昭和46年/1971年4月・文藝春秋刊『アンモニア戦記』所収
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候補者 阿部牧郎 男37歳
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太
男58歳
9 「荒荒しいが、微笑ましい青春が感じさせられる。私は、久し振りに愉しい青春小説を読んだ気がして、強く推した。しかし、強く推したが、(引用者注:「長良川」との)二作に授賞の場合は、という前提に立ってであった。」
石坂洋次郎
男70歳
7 「才筆だが、この作者はもっとスッキリしたものが書ける筈、題材がアンモニアで少し臭いということで落ちてしまった。」
水上勉
男51歳
11 「たしかにこの作者の世界を感じさせる。」「労作「われは潮(原文ママ)の子」より面白く、しっかりした文章で安心もできるのだが、どこか重量感がない。」
村上元三
男60歳
5 「この作者の器用さが、かえって新鮮さを失い、小さくまとまってしまったように思われる。」
今日出海
男67歳
8 「三度直木賞の候補にのぼりながら何か一つもの足りぬものがあるのか、賞を逸する結果になってしまったことを作者は考えて頂きたい。」
大佛次郎
男73歳
0  
柴田錬三郎
男53歳
8 「この作品は、必ずしも上出来ではない。しかし、私は、この作者の実力を買って、推したが、過半数の票をとることはできなかった。」
川口松太郎
男71歳
0  
司馬遼太郎
男47歳
10 「ごく常識的にいえば、受賞作というのは、金屏風の前にすわるだけの目方が必要で(引用者中略)この才能ある作家としてはごく手の内のものでありすぎた。」
松本清張
男61歳
6 「氏のものとして出来が悪いのが提出されたのは不運である。結末が火野葦平の「糞尿譚」をすぐ思い出させるのも損である。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年4月号
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文量
短篇
章立て
「1」~「5」
時代設定 場所設定
[同時代]  東北のある町
登場人物
中西正弘(農業科の高校生、ラグビー部員)
モウ六(ラグビー部主将、本名・功六)
女生徒(正弘の片思いの相手、山林所有者の娘)




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いきょう
『われらの 異郷』(昭和46年/1971年3月・三一書房刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 昭和46年/1971年3月31日(第1版第1刷)
発行者等 発行者 田川敬吾 印刷 文栄印刷株式会社 製本 東京美術紙工
発行所 株式会社三一書房(東京都) 形態 四六判 並製
装幀/装画等 カバー装幀 小幡堅 表紙・扉 華房良輔
総ページ数 269 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
44字
×18行
×1段
本文ページ 3~269
(計267頁)
測定枚数 477
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書誌
>>平成6年/1994年10月・P.O.M刊、星雲社発売『われらの異郷』
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候補者 阿部牧郎 男37歳
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎
男71歳
2  
水上勉
男52歳
8 「従来の直木賞作家らしからぬ個性をもったユニークな作家なので私は好きでもあり、期待もしているのだが、今回の作は、三分の一くらいに短縮されたらいい作品になったのではないか。」
源氏鶏太
男59歳
9 「この作品の面白さは、大衆文芸的でないようだ。私の好きな作品であったが、笹沢氏と二人で最後まで残り、授賞なしと冷酷に決った。」
川口松太郎
男71歳
11 「勤め人の哀れを克明に書いてはあるが、大衆小説としての魅力がない。」「委員の誰かが不潔だといったが全くその通りで筆力を持ちながら作者の心構えに問題がありそうだ。」
柴田錬三郎
男54歳
8 「文章力が秀れている点では、受賞してもすこしもはずかしくない作品であるが、これは、短篇として仕上げるべき素材であった。」
司馬遼太郎
男47歳
0  
今日出海
男67歳
0  
村上元三
男61歳
9 「これだけ大部の枚数を費して書くほどの材料ではない、と思う。」「部分部分に光るようなすぐれたところがあった。もう実力もわかったし、次作は短篇を期待する。」
大佛次郎
男73歳
0  
松本清張
男61歳
0  
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章」~「第五章」
時代設定 場所設定
同時代~太平洋戦争中  大阪~瀬戸内海のある島~京都~東京~秋田
登場人物
広野(M食品会社大阪工場労務課長)
坂部和男(広野の前任者、大学時代の同級生)
細川みゆき(工場女子寮の舎監、独身)
橋本(出入りの便利屋)
山崎咲江(工場勤務の女子工員、坂部と同郷の集団就職者)




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ざんこく みつげつ
残酷な 蜜月」(『別冊文藝春秋』120号[昭和47年/1972年6月])
媒体・作品情報
誌名 「別冊文藝春秋」  別表記背・表紙 「別册文藝春秋」 目次・奥付 「別冊文藝春秋」 裏表紙 「別冊 文藝春秋」
巻号 第120号  別表記120特別号
印刷/発行年月日 発行 昭和47年/1972年6月5日
発行者等 編集兼発行人 西永達夫 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 360 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×25行
×2段
本文ページ 114~141
(計28頁)
測定枚数 87
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書誌
>>昭和57年/1982年5月・徳間書店/トクマノベルズ『娼婦の町の蜜月』所収
>>昭和63年/1988年10月・徳間書店/徳間文庫『娼婦の町の蜜月』所収
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候補者 阿部牧郎 男38歳
選考委員 評価 行数 評言
司馬遼太郎
男48歳
0  
大佛次郎
男74歳
0  
石坂洋次郎
男72歳
5 「下読みしながら、私は面白いと思った作品にマルじるしをつけていったが、(引用者中略)「残酷な蜜月」(引用者中略)などがそれだった。」
水上勉
男53歳
0  
川口松太郎
男72歳
0  
源氏鶏太
男60歳
5 「高く評価して出席したのだが大方の賛同を得られなくて残念であった。これはちゃんとした小説だし、殊に最後が印象的であった。」
今日出海
男68歳
0  
柴田錬三郎
男55歳
0  
村上元三
男62歳
9 「「蛸と精鋭」を書いたあたりの面白さが、すっかり失われている。低俗にという意味ではなく、小説の面白さというものを、考え直してほしい。」
松本清張
男62歳
0  
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年10月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  大阪~京都~山口
登場人物
田代浩一(経済雑誌記者)
山名晶子(浩一と同棲中)
父(晶子の父、教育関係の役所の所長)




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うしな きゅうふ
失われた 球譜」(『別冊文藝春秋』126号[昭和48年/1973年12月])
媒体・作品情報
誌名 「別冊文藝春秋」  別表記背・表紙 「別册文藝春秋」 目次・奥付 「別冊文藝春秋」 裏表紙 「別冊 文藝春秋」
巻号 第126号  別表記新春特別号
印刷/発行年月日 発行 昭和48年/1973年12月5日
発行者等 編集兼発行人 西永達夫 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 368 表記上の枚数 目次 100枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×25行
×2段
本文ページ 136~177
(計42頁)
測定枚数 127
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書誌
>>昭和50年/1975年5月・文藝春秋刊『ワシントンの陥ちた日』所収
>>昭和63年/1988年5月・文藝春秋/文春文庫『失われた球譜』所収
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候補者 阿部牧郎 男40歳
選考委員 評価 行数 評言
柴田錬三郎
男57歳
8 「材料そのものが小さすぎる。」「思いきって、大きな材料と取組むことができないものか、といつも考えさせられる。」
源氏鶏太
男62歳
9 「実にキメこまかく書いてあるのだが、蓋をあけてみたら、なんだこんなことであったかとの印象が残る。阿部氏は、テーマの選び方で、いつも、損をしている。」
今日出海
男70歳
0  
石坂洋次郎
男74歳
7 「野球好きな人には面白い話だが、女性の読者にはどんなものだろう。」
村上元三
男64歳
5 「もう七回も候補になっているのに、どうも決定打がない。こんどの作品は、ことにおとる。」
川口松太郎
男74歳
14 「(引用者注:「失われた球譜」「鬼の詩」「不可触領域」は)どれも一流作品と称してさしつかえないほどの筆力を持ち、どれも面白く読める。」「十分筆力を持っているのだから力を落す事なく、次回の作品に努力して欲しい。」
松本清張
男64歳
4 「小さな主題を一応きれいにふくらました感じだが、フクラマシ粉が利きすぎて内容空疎。」
水上勉
男55歳
10 「如何せんこの材料にこれだけの枚数は長すぎた。惜しい。」「器用さがいけないのか。そこのところが、阿部さんの今日の壁のように思う。」
司馬遼太郎
男50歳
5 「相変らず達者な作品だが、小説の主題としては人間の問題が小さすぎないだろうか。」
選評出典:『オール讀物』昭和49年/1974年10月号
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文量
短篇
章立て
「1」~「5」
時代設定 場所設定
[同時代]  大阪~秋田~京都
登場人物
岡村克彦(民間テレビ局員)
熱田雄介(スポーツ評論家)
岡村貞一(克彦の父、かつて甲子園球児、故人)
堀田啓子(大学生)




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しゅうがくしょう
『それぞれの 終楽章』(昭和62年/1987年11月・講談社刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 昭和62年/1987年11月12日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 昭和63年/1988年1月28日(第2刷)
発行者等 発行者 加藤勝久 印刷所 信毎書籍印刷株式会社 製本所 株式会社黒岩大光堂
発行所 株式会社講談社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 原万千子 装幀 熊谷博人
総ページ数 217 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
40字
×17行
×1段
本文ページ 5~217
(計213頁)
測定枚数 334
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書誌
>>初出『小説現代』昭和62年/1987年6月号~9月号
>>平成3年/1991年1月・講談社/講談社文庫『それぞれの終楽章』
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候補者 阿部牧郎 男54歳
選考委員 評価 行数 評言
山口瞳
男61歳
56 「市民と芸術家(虚業家)の対比という視点で読んだ。その視点からすると、不満が残った。(引用者中略)私の評価は低かった。」「ところが、二度目に読みすすむうちに、これは一つの昭和史もしくは友情小説として読むべきだと思い、そう思って読むうちに私の評価はガラリと変った。」「阿部さんは実力がありながら、マスコミの渦に巻き込まれていると思い、『蛸と精鋭』以来のファンである私は悲しんでいたが、この一作で見事に踏み止まった。志を失っていなかったことを証明した。」
黒岩重吾
男63歳
55 「「それぞれの終楽章」が抜群で、受賞作は阿部氏以外にないだろう、と感じた。」「贅肉が取れた文章で描かれた人間模様には今の氏の年齢でなければ凝視出来ない人生への慈愛が滲み出ている。」「旧友の死を作為的なストーリーで追わず、彼の性格を抉って小説に構築したこともこの作品の格調を高めた。」
村上元三
男77歳
37 「満票といってもいいが、一票を入れずに半票にしたのは、わたし一人であった。作者のこれまでの作家経歴、そして過去に七回も直木賞の候補になった実績から見ても、当然のことであろう。」「この作品の第三章までは、ついて行けた。だが第四章を読んでいるうちに、この作者は純文学志向なのではないか、と気がついた。おそらく作者は、芥川賞を受けたほうが満足だったのではないか、と迷いが出た。」
陳舜臣
男63歳
26 「彼が直木賞候補にあげられたのは、これが八度目であるという。最初は第五十九回で、つぎが第六十一回であったそうだ。私が三度目の候補で受賞したのが第六十回のときであった。いわば肩をならべてきた戦友であり、その彼の作品を俎上にのせるのは奇妙なかんじである。」「群を抜いていて、正直いって私はほっとした。」「死の周辺に包みこまれた小宇宙のなかで、さまざまに共鳴し合う音を、読者はきくことができる。」
藤沢周平
男60歳
41 「見事なのはこの小説の細部である。」「そして細部というものは、しばしばその作家の才能と感性がもっともよく現われる場所でもあるので、ここにも阿部さんの才能とみずみずしい感性がのぞいているのを見ることが出来るのである。」「形、内容ともにととのった、受賞にふさわしい作品だった。」
平岩弓枝
女55歳
14 「いうことがありません。自分の文章で、これだけの人間を見事に描き切った力量はすばらしいと思います。」「選考委員が、ほぼ、もろ手を上げての阿部さんの受賞は、まことにさわやかな決定といえましょう。」
井上ひさし
男53歳
29 「(引用者注:「それぞれの終楽章」「オールド・ルーキー」「幽霊記」のうち)どれが受賞しても妥当であると考えた。」「思いもかけない強い感動があった。高校時代の親友の謎めいた急死が、《人々によって自分は影響をあたえられ、つくりあげられた。(引用者中略)自分はこれらの人々の人生を文字にする仕事をはじめなければならない。彼らを生かすことで自分も生きる。》という発見によって解明されるとは、なんと意外で、快いことだろう。」
田辺聖子
女59歳
23 「すでに一家を成していられる方ではあり、今さらという気はあるが、これは氏の実力を改めて認識させるに充分であった。その上、作者の抑制した熱気が伝わってくる。」「男の人生も大変なんですね、なんていう、当然のことを、当然のように思わせる作品、――というのは、これはとても難しいんだけど、成功していたなあ。」
渡辺淳一
男54歳
19 「一人の作家がしかるべき年齢に達すれば、それなりに書けるものかもしれない。その意味では危げなく無難で、それがまたもの足りないともいえる。しかしさすがに人間を見る目はたしかで、それを柔軟な文章がしっかりと支えている。」「この力を持っている作家に、直木賞を与えないという理由はないだろう。」
五木寛之
男55歳
9 「どの候補作が受賞してもおかしくないではないか、という意見が出てくるにちがいない。私はその通りだと思う。だが、阿部牧郎氏の「それぞれの終楽章」の受賞は、すべての選者の賛意を集めるなにか(原文傍点)を持っていた。それが何かを、私はいま考えているところだ。」
選評出典:『オール讀物』昭和63年/1988年4月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 三楽章まで」「第二章 北の野手たち」「第三章 波の墓標」「第四章 星空の走路」
時代設定 場所設定
太平洋戦争戦後~[同時代]  秋田~大阪
登場人物
矢部宏(小説家)
森山隆之(税理士、矢部の同窓生、自殺)
辻島裕平(会社経営者、矢部の同窓生)
谷口春江(森山の愛人)
斎藤謙一(矢部の同窓生、交通事故で入院中)




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