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第59回
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Last Update[H29]2017/10/4

宮原昭夫
Miyahara Akio
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生没年月日【注】 昭和7年/1932年8月5日~
経歴 神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学文学部露文科卒。大学院で学びながら、予備校・学習塾の教師を務める。そのかたわら創作をつづけ昭和41年/1966年に「石のニンフ達」で文學界新人賞受賞。「誰かが触った」で芥川賞受賞。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第1回文藝賞[長篇部門](昭和37年/1962年)「ごったがえしの時点」
  • 第23回文學界新人賞(昭和41年/1966年)「石のニンフ達」
  • |候補| 第56回芥川賞(昭和41年/1966年下期)「石のニンフ達」
  • |候補| 第57回芥川賞(昭和42年/1967年上期)「やわらかい兇器」
  • |候補| 第59回直木賞(昭和43年/1968年上期)「小船の上で」
  • |候補| 第60回芥川賞(昭和43年/1968年下期)「待っている時間」
  • 第67回芥川賞(昭和47年/1972年上期)「誰かが触った」
備考
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いし たち
石のニンフ 達」(『文學界』昭和41年/1966年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第20巻 第11号  別表記11月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和41年/1966年10月20日 発行 昭和41年/1966年11月1日
発行者等 編集兼発行人 杉村友一 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 文藝春秋新社(東京都)
総ページ数 222 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 19~38
(計20頁)
測定枚数 60
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書誌
>>昭和44年/1969年2月・文藝春秋刊『石のニンフ達』所収
>>昭和51年/1976年☆月・角川書店/角川文庫『石のニンフ達 他4篇』所収
>>昭和56年/1981年3月・集英社/集英社文庫『駆け落ち』所収
>>平成19年/2007年8月・宮原昭夫小説選制作委員会刊、河出書房新社発売『宮原昭夫小説選』所収
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芥川賞 芥川賞 56回候補 一覧へ
候補者 宮原昭夫 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫
男42歳
5 「いい作品だった。」「感覚が新鮮で、いかを焼くところなど、びっくりするほど巧いが、読書会などはあまりに安っぽいカリカチュアである。」
瀧井孝作
男72歳
0  
井上靖
男59歳
5 「よかった。」「才能を感じた。」
石川達三
男61歳
0  
丹羽文雄
男62歳
5 「この作者の力量を高く買いたいと思った。」「この作品と「孵化」の二本の授賞もよいと思ったが、一本になると(引用者中略)すこし軽い気がした。」
石川淳
男67歳
0  
永井龍男
男62歳
4 「(引用者注:銓衡の最後で)「記憶」と「石のニンフ達」「夏の流れ」の三篇が検討された。」「才能ある作品だったが、ここには筆を略させていただく。」
大岡昇平
男57歳
4 「若々しい感覚と機智は、文句なく面白い。芥川賞にふさわしい華々しさがあるので、一度は「夏の終り」と二篇当選と提議してみたくらいである。」
川端康成
男67歳
6 「少女達の心理を官能的にとらえて、なまなましいところもある。もう少し長く強く書いて、量感があればよかった。」
中村光夫
男55歳
5 「女子高校生をうまく描いた作品で、彼女らの集団演技や生ぐさい反抗が、さっぱりした筆致でよく捉えられています。」「これと「夏の流れ」の二作授賞を主張しました」
舟橋聖一
男62歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年3月号)
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きょうき
「やわらかい 兇器」(『文學界』昭和42年/1967年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第21巻 第6号  別表記6月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和42年/1967年5月20日 発行 昭和42年/1967年6月1日
発行者等 編集兼発行人 山本博章 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 246 表記上の枚数 目次 80枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 96~121
(計26頁)
測定枚数 79
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書誌
>>昭和44年/1969年2月・文藝春秋刊『石のニンフ達』所収
>>昭和56年/1981年3月・集英社/集英社文庫『駆け落ち』所収
>>平成19年/2007年8月・宮原昭夫小説選制作委員会刊、河出書房新社発売『宮原昭夫小説選』所収
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芥川賞 芥川賞 57回候補 一覧へ
候補者 宮原昭夫 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男62歳
0  
丹羽文雄
男62歳
4 「「石のニンフ達」の才能が落ち入りやすい失敗を案の定やったのだと思った。自分の才能に溺れすぎたようである。が、このひとの才能を私は高く買っている。」
中村光夫
男56歳
6 「一番作者の才能を感じた」「どこか人間を捕えていて、書きだしの部分は立派なできです。しかし下らない材料を、自分だけ面白がってひねりまわしているところが、結局作品を卑小にしています。」
大岡昇平
男58歳
0  
永井龍男
男63歳
0  
瀧井孝作
男73歳
7 「「石のニンフ達」よりはよいと思った。」「筆も鋭くなって、また引きしまって居た。」
石川淳
男68歳
0  
舟橋聖一
男62歳
0  
三島由紀夫
男42歳
0  
川端康成
男68歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年9月号)
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直木賞 第59回候補  一覧へ

こぶね うえ
小船の 上で」(『文學界』昭和43年/1968年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第22巻 第6号  別表記6月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和43年/1968年5月20日 発行 昭和43年/1968年6月1日
発行者等 編集兼発行人 山本博章 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 240 表記上の枚数 目次 60枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 140~159
(計20頁)
測定枚数 60
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書誌
>>昭和44年/1969年2月・文藝春秋刊『石のニンフ達』所収「小舟の上で」
>>昭和52年/1977年6月・角川書店/角川文庫『男の日ごよみ』所収「小舟の上で」
>>平成19年/2007年8月・宮原昭夫小説選制作委員会刊、河出書房新社発売『宮原昭夫小説選』所収「小舟の上で」
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候補者 宮原昭夫 男35歳
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎
男68歳
7  
源氏鶏太
男56歳
13 「最も感心した。なかなかの才筆で、読んでいて何回か声を出して笑った。」「ここには独特の世界があって、それはまぎれもなく小説の世界である。」「最後まで推したのは中山さんと私だけだった。今でも自分が間違っていなかったと思っている。」
海音寺潮五郎
男66歳
13 「整っているという点では、これが一番であろう。」「不満は、単なる風俗小説におわっているところにある。現代を書く小説が風俗小説的になるのは当然であるが、それだけでおわっては、最も早く古くなる。」
大佛次郎
男70歳
0  
川口松太郎
男68歳
0  
村上元三
男58歳
5 「こういう夫婦があるのも知っているし、わたしにはべつに新しい材料だとは思えなかった。」
今日出海
男64歳
10 「この作品を佳しとする意見に私も引かれた。」「これだけの才腕を持ちながら、調子の低い、生活になずんだ空気が私に一種の焦燥を与えるのは、作者が故意に計ったことだろうが、どうも共感は覚えなかった。」
中山義秀
男67歳
8 「手法の巧さからいって、候補作品中いちばんの出来ばえであった。私は片意地なまでこの作品に固執したのは、うまいと思われる作品に近来接しなかったせいかもしれない。」
柴田錬三郎
男51歳
6 「現代風俗の断面を、あざやかにえぐってみせて、腕の冴えが買えた。」「授賞作品とするには、まだ一歩の距離が足らぬ気がした。」
水上勉
男49歳
8 「面白かった」「宮原氏の新鮮な筆致と、その力量ということになる。ところがこれも、強力なものが一つ何か物足りない。」
松本清張
男58歳
0  
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年10月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  東京のある街
登場人物
和田昭(貿易会社勤務)
市子(昭の妻、ロシヤ図書輸入販売会社勤務、女優志望)
桂木かおる(昭の同僚、ハイ・ミス)





じかん
待っている 時間」(『文學界』昭和43年/1968年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第22巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和43年/1968年11月20日 発行 昭和43年/1968年12月1日
発行者等 編集兼発行人 山本博章 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 272 表記上の枚数 目次 50枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 113~129
(計17頁)
測定枚数 51
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書誌
>>昭和44年/1969年2月・文藝春秋刊『石のニンフ達』所収
>>平成19年/2007年8月・宮原昭夫小説選制作委員会刊、河出書房新社発売『宮原昭夫小説選』所収
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芥川賞 芥川賞 60回候補 一覧へ
候補者 宮原昭夫 男36歳
選考委員 評価 行数 評言
石川淳
男69歳
0  
三島由紀夫
男44歳
0  
石川達三
男63歳
0  
瀧井孝作
男74歳
0  
中村光夫
男57歳
0  
井上靖
男61歳
0  
丹羽文雄
男64歳
0  
舟橋聖一
男64歳
0  
永井龍男
男64歳
4 「悪びれた処がなく好意を持ったが、授賞作ではない。」
大岡昇平
男59歳
3 「デリカシイと確実さがあるタッチに好感が持てた。しかしこれは大正以来あまりにも書き古された主題である。」
川端康成
男69歳
8 「候補作九篇のうち四篇まで、老父母と若い息子夫婦との間を扱った作品があったのは、今回の特色で、偶然かもしれないが、今の社会の問題の一つとして、必然のことかもしれなかった。」「実感は自ら動いている。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年3月号)
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だれ さわ
誰かが 触った」(『文芸』昭和47年/1972年4月号)
媒体・作品情報
誌名 「文芸」
巻号 第11巻 第4号  別表記4月号
印刷/発行年月日 発行 昭和47年/1972年4月1日
発行者等 編集者 寺田 博 発行者 佐藤晧三 印刷者 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 264 表記上の枚数 目次 140枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 10~57
(計48頁)
測定枚数 143
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書誌
>>昭和47年/1972年7月・河出書房新社刊『誰かが触った』所収
>>昭和50年/1975年7月・角川書店/角川文庫『誰かが触った』所収
>>昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第9巻』所収
>>平成19年/2007年8月・宮原昭夫小説選制作委員会刊、河出書房新社発売『宮原昭夫小説選』所収
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芥川賞 芥川賞 67受賞 一覧へ
候補者 宮原昭夫 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
大岡昇平
男63歳
25 「最初から一番票が集った。私も票をつけた一人だが、一抹の不安はまたは不満はそのあまりにもうまく仕上げられていることだった。」「芥川賞の性格からいって、この作品の受賞は、日本のハンセン氏病対策の歴史の上で「いのちの初夜」「小島の春」に続く位置を占めるかも知れない。作者がこのように明るく問題を提出したことに、一つの芸術意志が感じられるのだが、問題の切実性が、芸術性をゆるがせた珍しい例となっていると思った。」
井上靖
男65歳
11 「うまいという点では抜群であった。余分なことは何も書いていないし、筆も浮いたところはない。正面には押し出さないが、ヒューマンなものが底を流れているのも気持よかった。」「材料はいくらでも深刻になるが、それをこのように明るく、軽く描いたところは、この作者の才能であると見ていいと思った。」「(引用者注:「誰かが触った」「いつか汽笛を鳴らして」「仕かけのある静物」のうち)どれが授賞作であってもいいと思った。」
吉行淳之介
男48歳
16 「巧みさの点では抜群だが、モチーフが弱いために、その巧みさが浮いた感じになるのが難とおもった。」「私はこの二作(引用者注:「誰かが触った」と「いつか汽笛を鳴らして」)に、一番良い点を入れておいた。」「宮原氏が、「文學界」新人賞を「石のニンフ達」で受賞したとき、私はたまたま委員をしていて一票を積極的投じた。」「以来、この賞の候補になるのが(引用者中略)四回目だそうで、力量のある作家に間違いない。」
安岡章太郎
男52歳
8 「極めて明るいタッチで描いて成功した作品である。」「私は宮原氏の作品を推したが、二本立ての授賞になったのは、それなりの理由があることだと思う。」
中村光夫
男61歳
17 「一番非のうちどころのない作品でした。」「しかしあまりそつ(原文傍点)がなさすぎて、モチイフの薄弱さを疑わせるのが、この小説の弱点で、審査員各自が胸底に持っていたこの不満が決定間際に表面化したために、第一回の投票で圧倒的な多数を得たにかかわらず、この作品の単独授賞は容易に決定しなかったのです。」
丹羽文雄
男67歳
6 「いくらも深刻に描ける材料を、さらりとまとめたところが成功であった。実際の病院は、こういう工合には運ばれていないだろうと想像されるが、こういう見方も成立すると考えたい。すくなくとも従来の偏見をいくらかでも訂正してくれたことは救いになる。」
永井龍男
男68歳
9 「作者の手腕も磨かれたもので、さながら舞台を見るように、人物も場面も的確に描出されている。」「作の主題は啓蒙的な意味すら持ち、ややもすれば難解過剰な表現におち入り易い新人の手法とは比べものにならぬ出来ばえを示しているが、一口に云ってこの才能は、あるいは直木賞好みかとも考えてみた。」
瀧井孝作
男78歳
14 「文章もうまいが、軽くスラスラしすぎて図式のようで、実感が淡かった。」「色いろの場面が、隔離病院内の子供の患者たちの、学校教師の目から描かれて、この学校教師は芝居の狂言まわしとも見えて、実感は淡かった。技巧の勝った小説と見えた。」
舟橋聖一
男67歳
24 「第一回銓衡の結果、宮原支持が九票あった。」「ところが、第二、第三の銓衡で、難色が出て来た。作者の書きたいことが、冒頭の部分で鮮かに描出されているにもかかわらず、中半から以後の小説の運びがあまりにも巧妙に出来ていて、通俗的にさえ見えると言うのである。」
選評出典:『芥川賞全集 第九巻』昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和47年/1972年9月号)
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